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夢十夜

◆乱読観聴備忘録

 こんな夢を見た。
 腕組をして枕元に坐っていると、仰向に寝た女が、静かな声でもう死にますという。


【夢十夜/夏目漱石著/岩波文庫】



夢十夜、冒頭の書き出しで引き込まれる漱石の作品だ。

 ヒグラシが鳴いている。
 今日は涼しい薄曇りの大暑。
 いくぶん暑さがおさまった日に、心地よい文章に出会った。



 眉や鼻を鑿で作るんじゃない。
 あのとおりの眉や鼻が木の
 中に埋まっているのを、
 鑿と槌の力で掘り出すまでだ。 
               ―――夢十夜・第六夜



 ウイスキーが飲みたい。
 ブレア・アソール、あの香水のような薫りに包まれて・・・。

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