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酔筆

◆独り言、雑感/◆乱読観聴備忘録
「酔筆といふものは非常に気持ちよく酔が廻らなけば書く気は起こらない。 
東京中で私の酔筆を蔵しているのは鶴酒場だらうから、鶴酒場での酔は快適といふ
ことになる。いくら快適でも酔ひ過ぎては筆はもう乱れてしまって形をなさない。 
気分と汐時が肝心である。心憎いことに鶴のマスターはそれを心得てゐるのである」

【波郷の肖像/石田修大著/白水社2001年】

バーで気持ちよく酔い、俳人は筆をとり一句。
画家ならばちょいと一画。

それを「 酔筆 」という。

今から50余年も昔に、俳聖石田波郷をこれほどまでに
心酔させた鶴の
マスターの域には、とても自分は遠く及ばないと寒露の夜に思う。



秋の夜の 洋酒壜ども 声あげよ      波郷






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