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ルバイヤート × シグネット

◆乱読観聴備忘録/◆WHISKY
 2018年が明け、理不尽だらけの日常が戻ってきた。
 そんなときに読みたい文章はオマル・ハイヤームの

 「ルバイヤート(岩波文庫・小川亮作訳)」だ。

 ただの快楽主義ではなく、人の世の過不足ない真実を知らせてくれる。

 生まれて、苦しんで、老いて、死ぬ。
 それ以外の人生を生きる者はいない。

 現実の奥底には虚無しかないのだから、つまらぬことには
 こだわるのをやめ、美と酒を究め、愛と真実の今を生きよ。
 と、丈高い見事な切れ味の「四行詩」でそう呼びかけてくる。

 ルバイヤート(四行詩)を読むと、天井が抜けて青空が広がるような
 爽快さが味わえる。


 さて、そんな文章のお供は・・・、
 GLENMORANGIE-SIGNET グレンモーレンジ・シグネット。

 グレンモーレンジ蒸留所の、天井が抜けそうにノッポなポットスチルは、
 スコットランドで最も背が高いことで知られている。

 5.14メートルにもなる銅製の首は、大人のキリンと同じくらいの高さだ。
 その高さが最も軽くてピュアな蒸気のみを上まで登らせ、なめらかで
 エレガントなウイスキー原酒をを作り出す。

 モルト好きも、そうでない御仁も唸るシグネット。
 注がれたシグネットは、濃い官能的なフレーバーがグラスに立ちあがり、
 ヴェルヴェットのようなテクスチャーがあふれ出す。



 おお、七と四*の結果にすぎない者が、
 七と四の中に始終もだえているのか?
 千度ならず言うように酒を飲むがいい、
 一度行ったら二度と帰らぬ旅路だ。


*七と四・・・七天と四元素。

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