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小さな運び屋

◆CIGAR
「一番安いお酒をください!」

小さな運び屋

彼女は、あの夜に確かそんなオーダーをした。
日本が、まだコロナ騒ぎになる前の一月エンドのことだった。

「生きて帰れるかわからないのでご挨拶に来ましたぁ」

そう言い残して笑って旅立った。



歓楽もやがて思い出と消えようもの、
古き好をつなぐに足るは生の酒のみだよ。
酒の器にかけた手をしっかりと離すまい、
お前が消えたって盃だけは残るよ!      
                           ―――オマル・ハイヤーム

あれから一ヶ月・・・、小さな運び屋は生きて帰って来た。
ちょいと肋骨が折れているものの・・・、元気そうである。



お帰りなさいませ。
土産話と革命の赤!

小さな運び屋

ありがとー!




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BAR ル・ランティエ
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